今年の5月から施工に入り、
一夏をかけて施工してきた「トロッコ倉庫(仮)」が
唐津の地元の皆様に様々な協力を得てついに日の目を見ることとなりました。
(倉庫完成までの経過は過去のブログの【唐津】カテゴリを参照ください)
11月12日(土)10:00~
唐津東港フェリーターミナル前の広場にて
お披露目式を開催します。
お披露目式では、倉庫のお披露目に加え、
大島幼稚園の子ども達に集まってもらい、トロッコの走行も行います。
この倉庫は、「みなと松原」管理用の道具保管庫の役割も果たします。
お披露目式の後には「みなと松原」の除草作業も行いますので、
皆様ふるってご参加ください。
出会いと発見DIARY
10月28-29日、鹿児島県さつま町と伊佐市で行なわれた風景デザインサロンに参加しました。
今回のサロンの対象地は、川内川激特事業の虎居地区と曽木の滝地区です。
曽木の滝の景観です。ゴツゴツとした岩がむき出しの自然景観です。
今回の対象地、曽木の滝の左岸側に整備された分水路です。
滝と分水路が一体として捉えられるよう河床、法面は岩盤掘削面をむき出しにし、河道は緩やかに蛇行させていました。
法面掘削の仕上げ面は、岩の摂理に沿った掘削により違和感なく仕上がることを目指しています。
不安定に残る岩は、バックホーのバケットにワイヤーブラシを装着し岩の表面を撫でるように施工したとのこと。その工夫が窺い知れる法面です。
河床には低水路が掘り込まれていますが、常時の水量はほとんどありません。
出水が引いた後に残る水溜りがわずかに連なっています。
分水路呑口の先に見える本川から、分水路にせせらぎができる程度の常時取水があっても良いのかなと感じました。
河床に降りる階段です。
水流があたる呑口であり、現場発生の雑石の利用に際して、強度が発揮できる崩れ積みが用いられていました。
石が縦にしっかりと落とし込まれているのが分かります。
土佐崩れ積みに詳しい福留脩文氏指導のもと施工されたそうです。
岩盤に挟まれた階段部の石積みです。
雑石の布積みですが、少し人工的な違和感があるように思います。
人の手が入る箇所は割り切って、積石はきれいな間知石を使い整然と並べても良いのかなと感じました。
分水路の対岸、曽木の滝右岸側に残る曽木発電所用水路(明治39年完成)です。
永い時間を経て岩盤と石積みが違和感なく一体化していました。
岩盤からの湧水が多い曽木の滝分水路も、岩表面がうまく苔むして良い雰囲気の場所になることと思います。
10月28,29日に第25回風景デザインサロンに参加しました。
テーマは川内川檄特事業で虎居地区、曽木の滝地区に行きました。
川内川は平成18年の記録的な豪雨により甚大な被害を出しました。今回見に行くのはその災害復旧のための事業です。
1日目は虎居地区です。
ここは増水したとき流れをショートカットさせるため、山を掘削して推込分水路をつくりました。
川内川の川沿いです。
ずっと石積みされています。
これらの石は分水路を掘ったときに出てきた地場のものを利用しています。
石積みは石工さんが現場の人に指導して積み上げたそうです。
石積みの技術を後世に伝えていくためにこれからの土木事業ではこのように積極的に石を使っていく必要もあると思いました。
また直線的にならないよう川の流れのように曲線を描いています。
分水路の部分です。
堰を用いているのは、ある水量を超えるまではショートカットに水が流れないようにするためで、川の環境をギリギリまで変化させたくないという考えからできたものです。
堰にも石が使われていて周りとの一体感を出しています。
ここを越流した様子もみてみたいです。
分水路の近くに行きました。
遠くから見た印象よりも、実際にその場に立つと石は大きく石積みも高く、そのスケールの迫力に圧倒されました。
この辺りは城の石積みが連想させられました。
トロッコ倉庫の作業で、自分の手で地面を掘ったり、掘り出した土や石を運んだりの現場の作業を体感したことで、城の石積みを見ると、昔の人はこんな大きなものを人力で作っていたことを思うとどれだけ大変だったことか、と考えるのですが、
今の時代でもそれを彷彿とさせられるものができるんだなぁと思いました。
石が綺麗に敷かれていて、石のステージのように思いました。
分水路の広いスペースをイベントに利用できないかとまちの人たちも考えているそうです。
地元の人たちは平成18年の洪水の恐怖があり、本当に安全なのかという不安な気持ちが一杯なのを感じました。
その不安をなくすものを作り上げるため、島谷先生たちはワークショップを重ね、大規模な模型実験を行うことによって、住民が安心して暮らせるように工夫を重ねていったことを感じました。
また、時間が経ち、川の流れが地に馴染み、石積みに植生ができてくることで、これからこの川の風景が形成されていくんだなぁと感じました。
住民が安心して暮らせるようになる頃には美しい風景ができ、川がまちづくりにつながっているような気がします。
また、そこに住む人が快適に川を利用することは勿論ですが、これから時間が経ったときに、この川が観光につながってまちが自立できるように考えて石積みなどのデザインを考えたと聞き、まちの事情も考えた上でのデザインの必要さを感じました。
激特事業という時間が短い状況で防災に加え、景観やまちづくりについても取り入れた事例ですが、こういったスケールの大きいものに対する景観に対して骨格のデザインという考え方があって、ディテールにこだわる考え方とは違うことを学びました。
片ノ瀬の次は久留米の予備調査です。
ここは少し前は河畔林が茂っていたそうですが、現在は全て伐採されていました。切ることになったとき、全部切るのではなく何本か残す、といった考え方も必要で、河畔林の適切な扱いが必要だと感じました。
梅林寺、篠山城、水天宮付近もみてまわりました。
水天宮の石積みは何度かみたことありますが、川沿いをみてきたことで今も昔から引き継がれて残っているということの凄さを実感しました。
筑後大堰です。ここを境にして川の様子が変わりました。上流側はまちに近いため河川敷の利用が目立ちましたが、下流側は片ノ瀬の様子に近く、海に近づくためか川の中に船がみられました。
久留米は河川敷の利用が盛んで、リバーサイドパークとして公園やグラウンド、ゴルフ場の存在が目立ちました。これは少し昔、空いている河川空間を有効活用しようという動きと、都市への人口集中によるオープンスペースの不足という背景により起きたことだと考えられます。ゴルフ場の利用者の多さには少し驚きました。
次は久留米の本調査です。
頑張ります!
10月23日、遠賀川”直方の水辺”で「わくわく夢フェスタ」が開催されました。
市民部会のメンバーにより運営がなされており、
今年も7月から市民部会で企画を練り、準備を進めてきました。
昨年は雨天のため中止になってしまったので、念願の開催です。
早朝は雨が降り、開催が危ぶまれる空模様でしたが、
昼前には晴れ間が見え始め、無事開催することができました。
会場の上流側では開催日を合わせた水辺マラソンも開催されており、
たくさんのランナーが懸命に走っておられました。
去年も開催日をそろえましたが、雨天により中止になったため今年が初の同日開催。
他のグループとの連携もとれたイベントを行うことが出来ました。
会場では、市民部会メンバーやメンバーの呼びかけにより参加くださった方によって
野外ライブ、焼き鳥、から揚げ、焼きスパ、クッキーつくり体験、ヤギ・子牛とのふれあい体験、
直方の水辺案内ツアー、遊具の設置、造園の展示、手作り雑貨の販売等様々なブースが用意されていました。
子牛とのふれあい体験
夢フェスタ当日に生まれた子ヤギとのふれあい体験
野外ステージでのライブ
クッキーつくり体験
最後に運営をしたメンバーで笹舟を流し一日のイベントが終了しました。
市民部会メンバーのチームワークによって成功し、
多くの方に直方の水辺の魅力を感じていただけたのではないでしょうか?
みなさまお疲れ様でした。
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