ボラード割り付け【唐津/平野】
カテゴリ【唐津(転落防止柵)】では、平成23年度から現在まで唐津の東港で整備されている転落防止柵についての記事をまとめています。以下の記事は平成24年度までに行われたものです。
平成23年度の整備で東港に7基のボラードが設置されました。これに引き続き、平成24年度には62基のボラードが設置されます。
2012年10月。設置の検討で課題となったのはボラードのスパン割を決めることです。この課題の要因となったのが使用するチェーンにあります。
転落防止柵に使用するチェーンは、平成22年に退役した唐津海上保安庁の巡視船「まつうら」のものを使用します。使用するチェーンは1本31コマで統一して切り出しました。
しかし、切り出してみたところ、同じコマ数にも関わらず、チェーンの長さが1本1本違うことが判明しました。これは、長年チェーンを海へと出し入れを繰り返していたため、チェーンの1コマ1コマが磨り減っていたと考えられます。
チェーンをボラードに取り付けたときには、チェーンの垂れ方(チェーン最下部の地面からの高さ)が一定になることが望まれています。よって、チェーンの長さに対して、ある決まったチェーン最下部の地面からの高さになるためのボラードのスパンがわからなければなりません。これを明らかにするために、チェーン1本1本を実測しました。チェーンの実測は施工業者である安全施設さんにもご協力していただきました。
スパン割を検討する手順は次の通りです。
①チェーンの長さを実測する
切り出したチェーンを1本1本クレーンで吊るして長さを実測しました。この作業は事前に安全施設さんにお願いして実測していただきました。
②チェーンに対して必要なスパン長を実測する
一つのボラードを柱に固定します。そして、二つのボラードにシャックルでチェーンを取り付け、チェーンの地面からの高さが420mmとなるように、もう一方のボラードの位置を調整します。このときのボラードのスパンを実測しました。特殊なスパン(コマ数27コマとなる箇所)等も合わせて実測しました。
③チェーンの割付の検討
チェーンの長さに対応するスパン長がわかりました。このデータを基に割付を決めていきます。東港の模型図面、チェーンの長さとスパン長を書いたボードを用いて、割付の検討を行いました。検討に用いた道具は、チェーンの場所を入れ替えながら検討ができるように製作しました。
この検討結果から、最終的なボラードの割付を完成させました。