視覚障害者による溝切りインターロッキングの選定【三和/行徳】
新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
三和のブログの更新が大変遅れてしまいました。今年度の9月から年末までの取り組みを更新していきます。
9月にこれまで検討に参加していた全盲者の野口さんと弱視者の坂丸さんによる溝切りインターロッキングの選定を行いました。
溝切りインターロッキングはもともと車いす利用者の走行に配慮して誕生した製品ですが、普通のインターロッキングよりも粗く、視覚障害者がコンクリート舗装との違いを認識しやすいかもしれないと考え今回テストを行いました。
溝切りインターロッキングは、昨年度の調査後の話し合いの中で研究室OBの野口さんから教えてもらった製品で、2005年〜2007年にわんさかさんわで話し合いをしている時には存在していませんでした。
◆車いす利用者に対する溝切りインターロッキングの効果
インターロッキングやコンクリート平板を車いすで走行するときに、目地によって発生する振動が不快であることが論文等で指摘されています。溝切りインターロッキングは目地をできる限り小さくすることで振動を軽減して、さらに表面に目地と同じ幅の溝切りをほどこすことで一定期間毎に現れる不快な振動をなくした製品です。コンクリート二次製品のメーカーでは、規格の異なる様々な溝切りインターロッキングが発売されています。
▲溝切りインターロッキングとコンクリート平板の車いすによる振動比較
今回のテストは、用意した数種類の溝切りインターロッキングのサンプルとコンクリートとの違いを足裏や白杖で確かめてもらいました。
コンクリートとの粗さの違いが一番分かりやすい溝切りインターロッキングを三和バリアフリー歩道のインターロッキング舗装として使用することを検討していきます。
調査の結果、足裏で違いが分からないが、白杖では太平洋プレコン工業のアートスルーであれば違いが分かるという意見をいただきました。また、溝の方向は進行方向に対して、縦に設置すれば白杖を降る際に分かりやすいという意見でした。白杖の先端は幅15mm〜40mm程度のものまであるので、白杖の幅が大きくなるほど分かりにくいという意見でした。また、実際に歩行する際には違いが分かりにくいかもしれないという意見もいただきました。
アートスルーは用意した溝切りインターロッキングの中では溝の幅が4〜5mmと一番大きく、それ以下の幅ではコンクリートとの違いはわかりにくかったのだと考えられます。
次は、アートスルーが車いす利用者の走行に問題が無いかテストします。