風景と地域づくりの
出会いと発見DIARY
一般社団法人LSDは、プロジェクトや研究を通じて、九州各地の風景・地域づくりに取り組んでいます。地域の人達と未来を語り合う、デザインについて現場で喧々諤々議論する、素敵な風景や食文化を見つける、地域の人達との長いお付き合いが始まる…風景・地域づくりの中で、たくさんの出会いや発見、感動が生まれる毎日。そんな日常をお伝えしていきます。
February 5, 2017
平成28年度後期「プロジェクトまちづくり」最終発表会[プロジェクトまちづくり/大瀬]

こんにちは。
M1の大瀬です。

1月30日(月)
九州大学の学部3年生の講義「プロジェクトまちづくり」の最終発表会が開催されました。

後期のテーマは、
「北崎を元気にするためのバスのあり方を考える〜北崎を通るバス交通の見直し〜」でした。
 42名の学生が4班に分かれ、この半年間に、
事例調査、現地ヒアリング、アンケート調査、検討会などを行い、
各班の中、または班同士で、何度も何度も議論を重ねてきました。
ただのアイディアであれば大学生でなくてもできますが、彼らに求められたのは、「根拠のある提案」でした。
 発表当日、北崎地区の方々、西の浦線を利用される方々、バス事業者、行政の方々など約30名集まっていただきました。
想定よりも多くの方々にお集まりいただき、3年生の学生たちも次第にそわそわしだました。
まず1班目。トップバッターTくんが堂々と発表してくれました。
デマンドタクシーの導入の提案です。
現在、バスの利用者が少ない時間帯に、予約制の小型デマンドタクシーを導入することで、
経費削減とバス利用目標人数を減らすというアイディアでした。
2班目は、
北崎や糸島半島への観光客にもっとバスを利用してもらうために、
何度も乗り降りできる回数券や、レンタサイクルの導入を提案しました。
3班目。
彼らの提案は、「ぐるっと北崎」!
九大学研都市駅、北崎、九大、二見ヶ浦をつなぐ巡回バス路線の提案でした。
既存のバス路線は、「九大⇄九大学研都市駅」、「北崎⇄九大学研都市駅」間の運行のみです。
そして4班目。
バスの問題と北崎小中学校の児童数減少問題の二つを解決する方法として、
「海っ子、山っ子スクール」の導入を提案しました。
北崎外から学校に通ってもらうことで、バスの利用者を増やそうという狙いです。

全体司会を担当した、Mくん。
中学生の意見もしかっり聞いてくれています。
プログラムも進行も全て3年生の学生が自分たちで行いました。
最後に樋口先生からの挨拶と評価。
本当にたくさんの方々にお集まりいただき、有難うございました。
4つの班からのアイディアは、すぐに実現できそうなものも、そうでないものもありましたが、
まずは、地域、バス事業者、行政の皆さんが、バスのことを考えるきっかけになったと思います。
October 11, 2016
プロジェクトまちづくり後期初回講義[プロジェクトまちづくり/林田]

こんにちは、学部4年の林田です。

10月3日に後期のプロジェクトまちづくりの1回目の講義が行われました。
後期の講義は前期とは異なり全てのチームが北崎地区のバス路線のあり方について考えるというテーマのもとで交通研の大枝先生、都市研の加知先生、松永先生も関わり、講義が行われます。
一回目の講義ではまず大学でオリエンテーションとして後期関わる先生方の紹介と北崎校区の説明があった後、実際に伊都キャンパスから北崎校区までバスで行くにはどのくらい時間がかかるのかを体験するために、全員で昭和バスを利用して、一度九大学研都市駅まで行き、そこから西浦行きの昭和バスに乗り換えて北崎まで向かいました。
北崎校区についてからはまず宮浦のバス停でバスを降り、宮浦と唐泊の集落を見学し、その後、歩いて西浦の西岡公民館に向かいました。
西岡公民館では、まず、松永先生から地域交通についての講義を受け、その後北崎未来を創る会代表の平兮さんからお話を聞き、その後、40人の3年生がこれから活動していく4チームに分かれました。

次回以降からは実際にヒアリング調査や文献調査をしたり、話し合いをしたりしてどういうバス路線のあり方がいいのか考えていくことになります。
August 14, 2016
プロジェクトまちづくり始動![プロジェクトまちづくり/大瀬]

今年度から新たに

「プロジェクトまちづくり」という講義が開講されました。
建設都市工学コースの学部3年生を対象とした講義です。
景観研が以前よりお世話になっている
九大伊都キャンパスの北に位置する福岡市北崎地区のまちづくり活動に参加させていただきました。
まず初回は、
「北崎という地域を知る」ということで
大学のバスに乗り、小田の福寿寺の平兮さんに北崎を案内していただきました。

北崎地区は
大学から車で約10分、自転車で約20分という近い距離にあるのにもかかわらず
初めて北崎に訪れる学生がほとんどでした。
昔ながらの街並み、漁港、小田観音堂、シェアハウス、東林寺からの眺め、二見ヶ浦など、
限られた時間を最大限に使い、丁寧に案内して下さいました。
第2回目には、
北崎の未来を創る会のメンバーである5人の方々にお越しいただき
北崎の紹介や、まちづくり活動の紹介をしていただきました。
そして40名の学生が3つのチームに分かれました。
第3回目以降は
北崎という地域をより深く知るためにヒアリング調査や文献調査、
北崎の魅力や課題を整理を行い、
自分たちの力で北崎のために何ができるのかを考えました。
3チームとも
いろんなアイディアがでるものの
本当に北崎のためになるのか、一過性のイベントに過ぎないのではないか、と
何度も何度も考え直しました。
考えているうちに、
北崎の方々の思いやニーズ、九大生、九大の留学生の思いなど
分からないことが出てくることもあり、
それを理解するために
再度、アンケート調査やヒアリング調査を行ったチームもありました。
そしてようやく
3チームとも
地域のニーズに応え、かつ今後の北崎のために役立つような取り組みを決定することができました。
チーム1は、
「英語版サイクリングマップ〜KITAZAKI〜」
北崎には何種類もの既存の地図がありますが、英語のものはありませんでした。
日本の自然やサイクリングが好きな外国人、九大の留学生を対象とし、
英語で書かれている地図を新たに作りました。
内容も今までの地図よりももっとおもしろいものを作ろうということで
景色のいいところや、花がきれいなところなどを、自分たちの足で調査しました。
また、親しみをもってもらうために、図も文字も手書きで仕上げました。
このひとつひとつの決め事を、チームみんなで話し合って、議論を重ねていきました。
チーム2は、
「北崎と九大生のアルバイト仲介システム〜北崎Worker〜」
農業、漁業が盛んな北崎では、収穫時期なども繁忙期に人手が足りていないという問題があります。
また、九大生を対象に行ったアンケートの結果、
アルバイトを探している九大生は多く、その中でも北崎での農業、漁業のアルバイトをしてみたいと回答した学生が7割もいました。
アルバイト仲介の制度、条件を調査したり、
先行事例の実施者や、農家の方々へのヒアリング調査を行ったり、
まずは自分たちがということで、参加者を募って農業アルバイトを実施し検証しました。
チーム3は、
「交通安全注意喚起版〜子供たちが安全なまちを目指して〜」
北崎地区には、小学校、中学校がそれぞれ1校ずつあります。
北崎の子供たちが地域に求めていることを調査したところ、
近年、糸島ブームの影響もあり増加した車が危ないという意見を得られました。
地元の皆さんはよく知っている道なので、スピートを出しがちです。
また、農業、漁業関係のトラックがよく通ります。
アンケート調査や話し合いを重ねた結果、
交通安全注意喚起板を作成、設置し、安全なまちになる手助けをしようと決まりました。
メッセージを伝えやすい看板のサイズ、高さ、色、フォント、言葉遣いなどを、
過去の論文などから調査しました。
最終回(7月26日)には、
北崎の公民館で最終発表会を行いました。
北崎にお住いの方々約20名に集まっていただき、
それぞれのチームに対するコメントや評価をいただきました。
中には少々辛口コメントもありましたが、
ほとんどの方が「よく頑張った」と言ってくださり、3年生も喜んでいました。
今学期は、新しい講義ということもあり、
先生方も生徒たちも、手探り状態な部分もありましたが、
各チームが「地域のことを考えること」、「地域の方々と話し合うこと」、「チームの中で議論を深めること」、「先行事例から学ぶこと」など、
この授業ならではの経験、勉強ができたのではないかと思います。
後期にも、別の学生を対象に
「プロジェクトまちづくり」が開講される予定です。
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