唐津東港に景観研究室設計のボラード(転落防止柵)が設置されてから、もうすぐ3年が経とうとしています。
そこでこの度、西唐津小学校の生徒さんたちに声をかけて、一緒に鎖部分のペンキの塗り直しをやってもらうことにしました。
唐津東港に景観研究室設計のボラード(転落防止柵)が設置されてから、もうすぐ3年が経とうとしています。
そこでこの度、西唐津小学校の生徒さんたちに声をかけて、一緒に鎖部分のペンキの塗り直しをやってもらうことにしました。
修士論文の発表をなんとか終えた次の日、唐津東港転落防止柵の現場に立ち会いに行きました。
木製ボラードの残り区間の設置は完了しており、この日は救命浮環を設置しました。
修士1年のときにこのプロジェクトを担当し、色々な方々に迷惑をかけてしまい大変申し訳ない気持ちでいっぱいになりましたが、なんとか全区間設置されました。
救命浮環の取り付け作業で一つ目の救命浮環を取り付ける最中は、本当に問題なく設置できるか不安な気持ちがありましたが、浮環が無事設置された時は、感無量でした。この気持ちを味わうことができ、救命浮環設置に立ち会うことができ良かったです。
この経験を今後に活かせるようこれからも頑張りたいと思います。
唐津東港では平成23年度から「木製ボラード」と「巡視船まつうらのチェーン」を使用した転落防止柵を設置しています。これまでその経緯をブログに綴ってきました。
平成25年度は9スパン施工します。この工事で唐津東港転落防止柵は全ての区間に設置が完了します。
【転落防止柵の設置経緯に関してのブログ】
http://project237.exblog.jp/15704479/
【ボラード割付に関してのブログ】
http://project237.exblog.jp/18460923/
◆チェーンの実測
今年度のボラード割付図を作成するため昨年度12/27に9本のチェーンを実測しました。
ボラードのスパンが少し変わるだけでチェーンの垂れ具合は変わってしまいます。そのため今回の実測も細心の注意を払いました。
ボラードの垂れ具合を微調整するためハンマーで叩き少しずつ調整しました。
チェーン実測値を使ってボラードの割付図を作成しました。数値の記入間違いがないよう2度3度確認を重ねます。
◆現地施工開始
ボラード割付図を参考にボラードを設置する位置を現地に落とします。
位置出しに間違えないか、誤差がないか確認しました。
この位置出しを間違ってしまうとできあがりの結果に影響します。チェーンの実測にしても、割付図作成にしても、今回の現場での位置出しにしても、全体に影響してしまう段階でミスがないように慎重に確認する必要があります。
今後の予定は①地面を穴開け、②基礎を打設し、③ボラードを据え付けます。
最後にチェーンを垂らしたとき、イメージさた通りになるよう気をつけながら進捗の確認をしたいと思います。
唐津東港に設置する転落防止柵、平成23、24年度に引き続き今年度も設置が行われます。今年度で設置される予定の範囲が全て完了します。
さらに、転落防止柵の設置と合わせ、昨年度九大が検討した救命浮環も設置されます。現在、救命浮環は製作されている最中です。
今回進捗の確認も兼ねて、止め具を製作している(有)唐津ボーリングさんの製作現場を見学させて頂きました。
止め具のフックは溶接で取り付けられます。今回の溶接は仮止めのものでした。完成した救命浮環本体を実際に止め具のフックにはめて、フックの幅、位置を微調整してから再度溶接を行います。
また、鋼板に止め具の図面を写し、フックの溶接する位置がずれないための工夫をしていました。
◆フックの曲げ加工 裏話
昨年度、止め具の試作品が完成して私は一安心していました。しかし、私が無知だったため知りませんでしたが、止め具の製作で一番苦労したことは実は「フックの曲げ加工」だったそうです。
止め具の製作を依頼された(有)唐津ボーリングの園山さんはフックの曲げ加工をどうするか悩んでいて、曲げ加工専門の製作所に依頼しようと考えました。しかし、このフックの曲げ加工は、加工ができないと言われたそうです。
今回の仕様の場合、一本のまっすぐな丸棒をまず一度曲げ加工します。その後に今回のようにもう一度曲げ加工を行うことはできないそうです。
そこで園山さんが曲げ加工の方法を考え、止め具のフックを曲げ加工するため専用の器材を開発して、フックの曲げ加工を行いました。
今回、曲げ加工の作業も見学させて頂きました。
まず丸棒を器材にセットします。
ハンドルに力を加えて回すことで丸棒が曲げられます。
次は曲げ加工が難しい部分です。フックを器材の側面にセットします。
器材の寸法は加工するフックの寸法と合わせているため、まさにフックを曲げ加工するためだけの器材です。他の寸法の曲げ加工をする場合は器材を全て作り直さなければいけません。
フックのR(半径)に合わせて部品を付け替えます。この部品の寸法は、何回も試行して、必要なR(半径)が加工できるものを見つけたそうです。
最初と同様に、ハンドルを回して曲げ加工します。
反対側の曲げ加工を行うために、フックを器材の反対面にセットします。
これで止め具のフックが完成です。
今回の場合、まず曲げ加工の方法を考え出し、ありあわせの材料を使って器材を製作したそうです。
園山さんとお話したとき、「ものづくりは持っている知恵を使って方法を生み出すこと」とおっしゃっていました。方法を考えることは大変だと思います。しかしその一方で、そこが「ものづくり」のやりがいであると、園山さんをお話して感じました。私も研究室の経験を思い返すと全くその通りだと思います。
園山さん、昨年度はたった一つの試作品を製作するためだけに色々考えて頂き、大変ありがとうございました。そして、今回はお忙しい中お時間を取って頂きありがとうございました。
救命浮環止め具ができる最後までどうぞよろしくお願いします!
現地にてシャックルの付け替え作業を行いました。
作業は、特注シャックルと取り替える6箇所のチェーン、逆向きにシャックルが取り付けられた4箇所が対象です。
作業の手順は次の通りです。
①シャックル取り替え前の写真を撮影し記録する。
②シャックルの交換を行う。
③チェーンの垂れ方を確認する。
④シャックル取り替え後の写真を撮影し記録する。
⑤シャックルを交換した後、タッチアップを行う。
シャックルを交換する作業には人手が必要です。
2人がチェーンを持ち上げ、その間に1人がシャックルを交換します。
【Before】シャックル交換前
【After】シャックル交換後
写真中央のチェーンの高さが高かったためシャックルを取り替えました。
シャックルの交換によりチェーンが下がっています。
シャックルの交換が全て完了したら、作業で塗装が剥がれた部分をタッチアップ(仕上がったあとの修正塗り)しました。
今回の作業により、私のミスで発生したチェーンの垂れ方が異なる問題は一通り解決することができました。
本来ならば必要ない作業が発生してしまい、完了までに随分時間がかかりました。
今後このような不手際を起こさないように、注意しすぎるくらい確認をするように気をつけて仕事をします。