平成20年に策定された由布市景観マスタープランを受けて、地域の具体的な取り組みを議論するために
設置された「湯布院景観協議会」は、地区住民25名程度で構成され、昨年度までに30回開催されました。
その中で検討された「由布院盆地景観計画(案)」について、平成24年度以降の施行を目指して、
由布市は今年度住民説明会、事業者説明会を開催します。
研究室ではこの説明会開催を支援しており、高尾と西村さん(M2)が担当しています。
4月頃から説明会用のPPTと配布資料の作成をしながら、ストーリーを練り直し、
計画の細かい基準やその表現の見直しを行ってきました。
西村さんはさまざまな地域事情、これまでの分厚い経緯、難しい法律等を少しずつ理解しながら、
一生懸命作業し、市担当者とのやり取りも丁寧に対応し、十分な資料を作成してくれたと思います。
そして、いよいよ9月11日に第1回目の住民説明会が開催されました。
参加人数は多くありませんでしたが、それぞれの地区の状況についての意見をいただいて、
まずはなんとかスタートをきることができました。
今後、今回開催しなかった地区、それから事業者を対象としたもの等、まだまだたくさんの説明会を開催する予定です。
がんばります。
出会いと発見DIARY
9月7日19時より温湯公民会にて湯の坪街道周辺地区景観協定委員会が開催されました。
高尾と西村さん(M2)が事務局として参加しました。
この委員会は、地区の景観や交通の課題解決に向けて、地区住民が2年半の検討を経て策定した
「湯の坪街道周辺地区景観協定」を運用するために設置されたもので、今年で4年目を迎えます。
協定内容(ルール)を策定するときに地区の店舗や看板の色や大きさ、枚数等を一斉調査しましたが、
4年経って状況が変わってきており、協定内容や地域の現状を今一度みなで共有することが
必要なタイミングだとの意見が多く、今年度中に調査を行うこととなりました。
また、由布市による由布院盆地景観計画の策定に合わせて、協定とセットとなっている
「湯の坪街道周辺地区景観計画」の景観形成方針に「ゆふいん建築・環境デザインガイドブック」を
位置づけることが由布市から提案され、了承されました。
この件については、今後地区住民説明会であらためて説明が行われる予定です。
なお、この「ゆふいん建築・環境デザインガイドブック」の十年ぶりの改訂作業は
昨年度高尾を中心に研究室で行いました。手伝ってくれた学生の皆さんありがとう。
由布院盆地には統一案内標識や案内看板が所々に設置されていますが、古くなって文字が読めなくなっていたり、下の写真のようにあまりに多くの情報が記載されているため逆に見にくくなっていたりと、十分な誘導・案内効果を発揮できていないという問題があります。
また、盆地内に目印になるようなものも少ないため、外から訪れる人が道に迷いやすいだけではなく、由布院内の人も道案内がしにくいという状況もあります。
そこで、観光協会、旅館組会を中心に、誘導サインや案内看板、観光マップの改善に向けてプロジェクトが立ち上がりました。
今回は、阿蘇のサインガイドラインを参考事例に勉強会を行い、由布院のサインの現状の把握、新たなサインシステムについての議論を行いました。
意見交換の中では
・設置場所によってサインに求められる役割が違うので、既存の統一案内標識も場所によっては利用できる
・由布院の場合、訪れる人のニーズが様々なので、その点の考慮が難しい
・目的地までの誘導とあわせて駐車場への誘導も重要
などの意見が出され、ゾーンやエリアに分けた誘導方法についての提案も行われました。
今後は、阿蘇の事例を参考に、サインの設置場所に合わせた段階的な誘導サインシステムについて、以下の点をポイントに更に検討を進めていきます。
・自動車系と歩行者系に分けて考える
・エリア分けと、拠点となる施設選びが必要
・どういうルートで、どこに連れて行くかの戦略づくりが必要
盆地景観計画(案)の住民説明会に向けて打ち合わせを行い、配布資料の確認と、前回問題になった「言葉の定義」についての議論を行いました。
平成2年に策定されて以降、ある程度の成果を出してきた「潤いのある町づくり条例」と、それだけでは防ぐことができない現在の状況とのギャップを、取りこぼしなく拾いあげることができる景観計画となるよう、細かい文言までチェックしていきました。
住民説明会に向けた準備は8割程度完成といったところです。
景観計画は由布市が運用する一つの制度ですが、その中には地域の人が使える仕組みも組み込まれています。
規制することが目的ではないことがしっかり伝わるような説明会にしたいです。
由布院盆地景観計画(案)の住民説明会に向けて打ち合わせを行いました。
主に住民説明会用資料の中身についての確認です。
説明のストーリーは大まかに完成したものの、言葉の定義が曖昧である等の問題があり、8月から開催予定の住民説明会までに更なる議論が必要です。
午後は地元の方々と、由布院での観光と景観の取り組みについてお話する機会を頂きました。
その中での「由布院の観光は経済振興ではなく、住んでいる人にとっての環境づくりである。目の前の経済振興のためのものではなく、まちの規模やまちのペースにあわせたものでなければならない。」という言葉が印象的でした。
一方では、まちを歩いていると駅前や湯の坪街道での客引きも目立ちます。
昔から由布院で生活してきた人たちと、外からやってきて商売している人たちとの思いの共有は景観計画の中でも重要なポイントとなっています。
これから始まる住民説明会では、このような思いを感じ取り、伝えていけるようなお手伝いができればと思います。
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