昨年、研究室総出で取り組んだ筑後川景観の手引き作成のプロジェクト。
これは、筑後川河川事務所が河川構造物の改修、新設をする際に心掛けること、具体的な整備方針をまとめたガイドラインを作るプロジェクトです。
昨年度にガイドラインの形、中身はほぼ出来上がりました。今年度は最後に修正をする作業が残っていました。
本来ならば今年度のもう少し早い時期に打ち合わせをする予定だったのですが、九州北部豪雨の影響で打ち合わせが延期し、今回やっと打ち合わせをすることができました。
打ち合わせでは今後の進め方について話し合いました。
手引きの本文は、樋口先生が学生の書いた文章に追加、修正を加えます。
残りはエリア別の吉井、片ノ瀬、大川・諸冨です。
また、写真の差し替え、絵のタッチを統一することも作業として残っています。
2月中に九大の修正を済ませ、事務所に渡すことになりました。
この手引きを作るのには、筑後川河川事務所、出張所の方々など多くの方の協力があったからこそ、ここまで形になりました。
最後にいいものができるように仕上げを頑張ります!
出会いと発見DIARY
昨年から取り組んでいる筑後川の景観ベースマップ作成のプロジェクト。今回は片ノ瀬の調査です。
調査内容としては、
残すべき河畔林、設定する重要な視点場、樋門などの確認をしました。
それぞれの場所で議論を行いながら、重要なものは位置を記録し、マップにコメントを付け加えていきました。
視点場を選定したあと、恵利堰を含む眺めを良くするためにどの河畔林を残すべきかを議論している様子です。河畔林は程よく間引きされ、良い景観の一つとなっているものや、人の手が加えられず荒れ放題のものなど実際に現場で確認して判断しています。
前回の調査は雨で大変寒かったですが、今回は無事晴れ、筑後川沿いで春の風を感じることができ、とても気持ちが良かったです。このような作業をし、ベースマップを作成することで、筑後川の良い景観を守っていくための一つの指針として活用されれば良いなと思います。
p.s…
バーテンみたいな小川さんと一緒に写っているのは、田主丸にある巨峰ワインです。
筑後川沿いから見える耳納連山がある田主丸は巨峰の有名な産地であり、夏には巨峰狩りをしに多くの人たちが訪れています。
この巨峰は、様々な人たちに守られながら、戦火をくぐりぬけ、今私たちの口に届けられているものです。
田主丸が巨峰の産地になるまでの感動的な歴史がつづられた「巨峰物語」という本があるので、興味のある方はぜひ購入してみてください。自分が見ている様々な景観も過去の歴史の積み重ねから成り立っているのだなと思い知らされました。
ワインを試飲させて頂きましたが、渋みがそれほどなく、巨峰のほのかな甘みがあり、普段ワインを飲まない私でもとても飲みやすいものでした。
昨年から取り組んでいる筑後川の景観ベースマップ作成のプロジェクト。
昨年度に形が完成しましたが、追加調査が必要な項目がいくつか出てきました。
そこで、研究室メンバーで追加調査を行いました。
上流、下流にチームを分かれ調査を行いました。
上流チームは日田、吉井、片ノ瀬を、下流チームは久留米、大川・諸富を担当しました。
今回の調査項目は、
設定する重要な視点場の確認、残すべき河畔林の確認、樋門、橋梁等の良い例、悪い例の確認を行いました。
それぞれ、位置を記録し、コメントを付け加えていきました。
上流チーム、吉井エリア、原鶴温泉周辺からの眺めの状況を確認している様子のようです。
下流チーム、久留米エリア、水天宮の対岸からの見え方の確認。
ちなみに、この場所から撮った写真が下ものです。
水天宮には石積みが残っており、木が茂っています。昔からあったものが現在も残っています。
また、右側の研究室が関わったプロジェクトもできつつあります。石積みはできたばかりですが、時間が経つことで水天宮の石積みと馴染んでいくと考えられます。
手前にはグランドゴルフ場があり、堤防沿いにはネットがされています。久留米エリアでの河川敷利用の様子がわかります。
上の写真は、大川・諸富エリアの若津港に残っている石積みの現在の状況を確認している様子です。
今後、活用することになった際に必要となる情報です。
今後は、今回の調査データを整理し、ベースマップに反映させる作業が残っています。
ベースマップも完成まで残りわずか、ラストスパートです!
片ノ瀬の次は久留米の予備調査です。
ここは少し前は河畔林が茂っていたそうですが、現在は全て伐採されていました。切ることになったとき、全部切るのではなく何本か残す、といった考え方も必要で、河畔林の適切な扱いが必要だと感じました。
梅林寺、篠山城、水天宮付近もみてまわりました。
水天宮の石積みは何度かみたことありますが、川沿いをみてきたことで今も昔から引き継がれて残っているということの凄さを実感しました。
筑後大堰です。ここを境にして川の様子が変わりました。上流側はまちに近いため河川敷の利用が目立ちましたが、下流側は片ノ瀬の様子に近く、海に近づくためか川の中に船がみられました。
久留米は河川敷の利用が盛んで、リバーサイドパークとして公園やグラウンド、ゴルフ場の存在が目立ちました。これは少し昔、空いている河川空間を有効活用しようという動きと、都市への人口集中によるオープンスペースの不足という背景により起きたことだと考えられます。ゴルフ場の利用者の多さには少し驚きました。
次は久留米の本調査です。
頑張ります!
片ノ瀬で本調査を行いました。
本調査では河川事務所と、そのエリアを管轄している出張所と行います。
午前は出張所へのヒアリングです。
近々修繕が必要な箇所、地元の方から要望が強い箇所などを出張所の方に質問します。また、予備調査で気になった河畔林の扱いについてや堤外民地について聞きました。下流の河畔林は上流から流されてきたオオタチヤナギの種が根付いて成長したものがほとんどで、平成に入ってから急激に多くなったそうです。河畔林は治水上の影響がある場合伐採するようです。
ヒアリング後、巨勢川を見に行きました。
ここは出張所の最近の主な整備で、河道拡幅を行っています。
旧堤防の近くで水天宮をみつけました。
この辺りの旧河道は大きく蛇行しています。旧河道を明らかにすることで、今の河道沿いには残っていないが旧河道には残っている川と暮らしの関わりを今に伝えるものが見つかるかもしれません。水天宮もそのサインのひとつだと考えられます。
午後は議論班とマッピング班に分かれて調査します。
議論班は指針に載せる心得や整備方針の手がかりを得るために現場を見て回りながら議論し、マッピング班は必要な要素を写真に撮ってマップに落としていく作業を行います。
僕はマッピング班でエリアの下流を回りました。
下流では河畔林、河川敷のグラウンド、畑などが印象的でした。また樋門、樋管も多く点在します。
議論班は構造物全般を見て回りました。
樋口先生が構造物に関して景観上の解説をして議論が進められます。
議論で出た話として、耳納連山、巨勢川、筑後川で作られる風景は本当に良いということや、河川構造物全般に関して、コンクリートもペンキも人工物であるが、コンクリートは時間が経てば経年変化してなじんでくるということが挙げられます。
また、恵利堰では、水の音が聞こえることが心地よい場所としての要因であり、大変良い場所なので、河川公園になってほしい、一般的によくあるような平坦な公園でなく、現在の形を守った公園がよいといったことが話にでました。
この本調査で得た情報を手がかりに作業を進めていきます。
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