設計の見直し、試験参加者との日程調整、試験施工、試験の準備などをして、11月7日にバリアフリー歩道試験を行いました。
研究室のメンバーだけでなく、構力研のメンバーにも協力してもらい試験を行いました。
今回の試験は、誘導機能について理解している地元の障害者の方が歩く歩道として検討してきた三和バリアフリー歩道を、多くの障害者の方たちに歩道を歩いてもらい歩道の機能について意見をうかがうものです。
福祉協会、視覚障害者情報センター、長崎県立盲学校、野口さん、坂丸さんの知り合いなどに協力していただき、全盲者6名、弱視者8名、車いす利用者5名に参加していただきました。
車いす利用者の試験の様子。
視覚障害者には歩道の機能について説明した後、実際に試験舗装を歩いてもらったり、白杖や手で触れてもらい歩道に慣れてもらった後に試験を行いました。
視覚障害者の試験は2種類行いました。
①自分の家から出発すると想定して、この歩道を頼りにして目的地にむかって歩き出すことができるか?
②自転車等の障害物が歩道上にある場合、その障害物を避けてもとのルートに復帰できるか?
試験後に、全盲者、弱視者、車いす利用者の3者それぞれの立場からの意見交換をしました。
試験終了後に、これまでっ歩道の開発に携わってきた野口さん、坂丸さんに調査結果の報告と今後に向けた意見交換をしました。
調査結果として、車いす利用者からの評価は良かったですが、視覚障害者からの誘導機能の評価はあまり良くありませんでした。
歩道の機能としてはピンコロ石が低かったことが主な原因として挙げられます。
また、当日になって問題が発生した点、計画が甘かった点、見落としていた点が多々あり、スケジュールもおして、視覚障害者に歩道の意図を充分に理解してもらう時間や慣れてもらう時間が足りずに歩かれた方がいたことも評価が悪かった原因です。
今回の試験は正直言って、失敗でした。
僕が設定したスケジュールと試験方法に大きな問題がありました。
しかし、多くの障害者に歩いていただき実際に意見をいただくことで問題になる部分や明確になった部分もたくさんあります。
試験後に全盲者、弱視者、車いす利用者の3者が交えて行った意見交換では、視覚障害者や車いす利用者が自分と異なる障害を持つ方と交流する機会が少ないことを感じ、3者のニーズを尊重しながら歩道を検討することの難しさを改めて感じました。
自分の反省としては、与えられた条件を全てこなそうとし、結局破綻してしまったという印象です。
様々な条件がありましたが、優先順位をつけて、こなせない条件については柔軟に対応して他の方法を考えるか、諦めるという選択ができたと後から考えると悔やまれます。
また、スタッフの立場、試験参加者の立場、会場の様子等、想像力を養い、どんな流れで試験を行い、どんな問題が起こりうるかというシミュレーションも全然足りてませんでした。
今回様々な人に協力していただいた中で充分な成果をあげることができなくて、本当に申し訳ないです。
試験に協力していただいた皆さまありがとうございました。
グラウンドのスペースを借りる期間も限られており、このような大掛かりな試験を再度行うことはできないため、試験舗装は一度撤去します。