九大にて、筑後川河川事務所、コンサルの方と「筑後川・矢部川における河川管理施設等の景観設計指針」に関する打ち合わせを行いました。
筑後川・矢部川において河川管理施設(護岸、水門・樋門、堰、橋など)をつくる際に、その担当者・設計者が、検討や設計のヒントとして活用できるような、筑後川・矢部川オリジナルの景観設計指針をつくることが目的です。
昨年度より景観委員会で議論されてきた指針(案)をたたき台に、目次や各項目の記述事項に関して、追加すべき内容、修正すべき内容を話し合いました。
「普通の場所(どこにでもあるような場所)」に設置するものを設計する場合は、「特別な場所(象徴的な建物がある場所、歴史的に重要な場所など)」に比べて、周囲の風景や河川環境、歴史などとの関係性の把握や、それらを踏まえた設計がおろそかにされがちです。
「しかし、そういうどこにでもあるような、小規模なものの一つ一つをちゃんと考えてつくることがいかに大切か」ということを、どうやって分かりやすく示せるかが今後の課題です。
この指針に関しては、来年度まで引き続き検討していきます。
また、これに関連して、秋には筑後川・矢部川に設置されている全ての水門・樋門の調査も予定しています。
(研究室メンバー全員が樋門についてマニアックに語り合う日がくるのも、そう遠くないのかもしれません・・・)
出会いと発見DIARY
遅くなりましたが,先日行いました,
瀬ノ下地区 第5回樋門に関する勉強会についてアップいたします.
今回は,前回までの勉強会で報告してきた,
・水天宮・瀬ノ下地区の歴史
・イベント時の利用状況
・河川敷の利用状況調査結果
・周辺住民の河川に対する意識調査結果
を踏まえ,
九大が考える河川整備案を模型で提示しました.
来年度の整備対象となるのは,水天宮前に設置される新設樋門及び,周辺護岸と,
車両進入用スロープ(陸閘代替ルート)なので,
今回の勉強会では,樋門とその周辺の護岸整備について特化したスタディを行いました.
前回に引き続き,久留米市の方々にも参加していただき,
筑後川河川事務所・久留米市役所・コンサルタントの計15名の方に対し九大案の説明を行いました.
まずは1/100模型を使い,
調査結果から考えられる,整備においてのポイント,
コンセプト(九大が大事にすべきだと考えること)について整理を行いました.
九大の提案したポイントは3つ
・水天宮の石積み
・河川敷へのアクセスポイント
・水天宮通りからの樋門の見え
水天宮の石積みは一部に江戸時代から残っていると思われる部分があり,
400年前に行われた一大土木事業の名残でもあります.
あの切り立った石積み護岸の勾配が変わる(緩くなる)ことは水天宮の雰囲気を壊すことになるのではないか?
また,決して広くは無い河川敷のスペースを,なるべく広く取るためには,
護岸の勾配を立てるべき,という考えから,
5分勾配の石積み(半練積み)護岸を提案しました.
また,下の写真の陸閘は周辺住民の河川敷への主なアクセスルートになっていますが,
治水安全上の問題から,この陸閘は撤去されることになっています.
そのため,河川敷へのアクセスルートの確保が重要な課題となります.
また,花火大会などのイベント時にはこの陸閘に来場者が集中するため,
多くの来場者を捌く,十分な広さを確保しなければなりません.
そして,水天宮通りからの新設樋門の見えについてですが,
水天宮通りは,イベント時はもちろん,
普段の水天宮参拝者や河川敷利用者の主なアクセスルートとなっています.
新設樋門は水天宮通りの軸上にあるため,
通りからの樋門の見えは最も重要な事項です.
次に,3つのポイントを踏まえた九大案の説明を,
新設樋門周辺をピックアップした1/50模型を使い説明を行いました.
現況・原案・九大案の3パターンをみなさんに見比べていただきましたが,
実際に模型を使うことで,
樋門の上屋の威圧感や,水天宮どおりから見たときの存在感の大きさを実感していただけたようです.
九大案は,
樋門の提内地設置・操作室の地中化という,前例の無い提案でしたが,
水天宮前の整備の重要性や,樋門の上屋の存在感について理解していただき,
前向きな反応を示していただきました.
次回,もう一度提案について4者で議論を深めて行きたいと思います.
10月21日、かつての瀬ノ下地区周辺の賑わいを調査するために、訪問・ヒアリング調査を行いました。
前回の意識調査で、かつての水天宮通りは今より賑やかであったことが分かり、今回の調査ではその賑わいが具体的にどのようなものであったのかについて調べることを目的としました。
水天宮通り沿いを中心に、この地域に長い間住まれているお宅を訪問させて頂きました。
昔のこの街の話を聞かせていただくと、皆さんかつての記憶を辿りながら色々話してくださいました。
瀬ノ下の賑わいについては、昔この通りにあったお店の話や、大祭や花火大会などのイベント時は今との違い、子供の頃このあたりでどのような遊びをしていたか等、詳細にお話して頂きました。
また、訪問したお宅の中には、昔の写真を残してあるお宅もあり、それを参考にとお借りすることもできました。
貴重な資料として、使わせていただきます。
今回の調査は、住民の方の話をじっくりと聞き出したかったため、伺わせて頂いたお宅に大変長いお時間お付き合いして頂きました。
ありがとうございました。
お聞きしたお話を、是非今後の参考にさせて頂きます。
遅くなりましたが,先週開催しました第4回瀬ノ下地区・樋門に関する勉強会についてアップします.
今まで九州大学と筑後川河川事務所、東京建設コンサルタントの3者で勉強会を行っていましたが,
今回の瀬ノ下排水樋門の設置には市も関わっているので,
(瀬ノ下排水樋門・池町川排水路の発注主体は久留米市のため)
第4回の勉強会には久留米市役所の関係課にも参加していただきました.
そこでまずは,前回までのおさらいの意味も含めて,
瀬ノ下地区の川港としての発展と,衰退について,
久留米市全体の中での瀬ノ下の位置づけを元に説明を行いました.
江戸時代以降川港として,物資の集散場として久留米を支え栄えたこと
昭和(戦後以降)の久留米の発展に伴い,市内と分断され,賑わいが現在の西鉄久留米駅周辺に移っていったこと
川港が失われ,瀬ノ下地区や水天宮の賑わいが衰退したことect
柳川など,かつて舟運が栄えたまちには,現在も観光名所として舟運が保存されているなかで,
久留米の発展の中心地とも言える瀬ノ下地区の港としての名残はほとんど残っていません.
対象地は現在,JRの九州新幹線・新久留米駅の新設に伴い,
‘歴史のプロムナード’と言う,久留米の歴史的な名所をめぐるための駅周辺の整備計画があります.
瀬ノ下地区の川港としての賑わいを取り戻すためにも,
今後はこの整備計画とうまく絡めながら,瀬ノ下地区の堤防改修を考えていく必要があります.
続いて,先月末に調査を行った
・河川敷利用状況調査
・周辺住民の意識調査
の結果について説明.
河川敷利用状況調査では,
河川敷利用者がどのアクセスポイントから進入してくるのか,
水天宮や京町公園利用者がどの様なルートを通り,どの程度の人が河川敷へ降りてくるのかなどについて説明を行いました.
水天宮は敷地が高く,境内から川(水面や対岸)が見渡せるため,
境内の川が見える所や天端道路から川を眺めるなどの利用が多く,
水天宮利用者の河川敷に対する意識は大きいと思われる一方,
京町公園からは1m強の高さの堤防が障害となり,全く川が見えないためか,
公園の利用者(通過のみの利用を除く)が河川敷へ出てくるという結果もあり,
京町公園のしつらえについての検討は今後重要なものになりそうです.
意識調査では,
川敷から400m低内地側の住民が,どの範囲まで川に対して意識があるのかについて説明.
瀬ノ下と大石町の間で,河川に対する意識に大きな差があり,
間に通っている国道による分断が大きな影響を与えていると考えられます.
今回の勉強会で,資料の準備不足や,プレゼンの問題など多くの課題がみつかりました.
同じ失敗を繰り返さないよう,一同気を引き締めて次回に望みたいと思います.
次回の勉強会は,今回の調査結果を踏まえ,
実際にどの様なデザインが瀬ノ下地区に必要なのか,模型を使ったスタディを行います.
では,また次回に.
9月29日(火)、利用状況調査(平日Ver.)を行いました。
休日Ver.の反省を活かし、調査員の配置等に若干の変更を加え、調査に臨みました。
平日ということで、前回よりも利用者は少なかったですが、
やはり散歩、犬の散歩、ジョギングは多かったです。
今回は水天宮保育園の園児たちのお散歩に出くわすことができました。
またこの日は斜面、小段、天端の草刈も行われていました。
周辺住民への意識調査でも、堤防の草刈を頻繁に行ってほしい、という意見が聞かれたので
これで更に利用しやすくなるのでないでしょうか。
2日間で得られたデータが、今後のデザインの参考になるよう、しっかり分析していきたいと思います。
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